こんにちは、不動産ライターの小花絵里(おばなえり)です。
クラウドソーシングを使っているWebライターの中には、クライアントから源泉徴収されて手取りが少なくなった…という経験をした方もいるのではないでしょうか?
そもそも源泉徴収って何?源泉徴収される案件とされない案件があるのはどうして?
副業・専業どちらのWebライターにとっても、源泉徴収は避けて通れない話題です。
そこで今回は、Webライターの報酬から引かれる「源泉徴収」について解説します。
源泉徴収の仕組みや源泉徴収されたあとの確定申告についても解説しますので、Webライターの仕事を続けていきたい方はぜひ覚えておきましょう!
hana writing office代表。不動産業界での経験から、不動産についてわかりやすく解説する不動産ライター。大手Webメディアにも多数寄稿。執筆実績はこちら
保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/FP2級/日商簿記2級/教員免許(国語)他
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Webライターの報酬から引かれる「源泉徴収」とは?
そもそも「源泉徴収」とは、個人事業主などに報酬を支払う際に、報酬を支払う側が所得税などをあらかじめ差し引いて代わりに納税する制度のことをいいます。
簡単にいえば、Webライターに報酬を支払うクライアントがWebライターの代わりに所得税などを前払いする制度です。
Webライターの報酬から源泉徴収税が引かれていると実際に手元に残るお金が少なくなるように感じるかもしれません。
しかし、あくまで「事前に代わりに納税」されているだけなので、確定申告をすれば「支払う所得税」から「あらかじめ源泉徴収された金額」を差し引いて納税されます。
その年に支払う所得税よりも多く源泉徴収されている場合は確定申告すれば還付される(=戻ってくる)のです。
源泉徴収の対象となる報酬
源泉徴収の対象となる報酬にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、国税庁のHPから源泉徴収の対象となる範囲をみていきましょう。
- 原稿料・講演料など
- 弁護士、公認会計士、司法書士などの資格者に支払う報酬
- 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
- プロスポーツ選手、モデルなどに支払う報酬
- 映画・演劇などの芸能、テレビ出演など、個人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
- 宴会等で接待するコンパニオン、ホステスなどに支払う報酬
- プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
- 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
Webライターの仕事の多くは「執筆した記事を納品すること」であるため、「原稿料」が該当します。
その他、ライティング講師として講演する場合に発生する「講演料」も該当する人がいるでしょう。
Webライターが源泉徴収される場合に必要な対応
源泉徴収するのは報酬を支払うクライアント側であるため、あらかじめクライアントが源泉徴収をすべき事業者であるか確認しましょう。
Webライター側は確定申告の際に源泉徴収された金額を記入しなければならないため、請求書に源泉徴収税額を記載するなど「誰からいくら源泉徴収されているのか」わかるようにしておきます。
クラウドワークス
請求書を作成する際に「源泉徴収税額」を明記します。報酬が100万円以下の場合は、支払われる金額に10.21%の税率を掛けて計算しましょう。
例)支払金額100,000円の源泉徴収税額:100,000円×10.21%=11,370円
参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
請求書作成サービスを利用すると自動で源泉徴収税額を計算してもらえますよ。
下の画像は、私が使用している「マネーフォワードクラウド請求書」の作成画面です。「源泉徴収」にチェックを入れるだけで請求書に源泉徴収税額が反映されます。
私は「マネーフォワード クラウド確定申告
Webライターの仕事で源泉徴収されなかったらどうすべき?
源泉徴収するのは報酬を支払うクライアント側であるため、源泉徴収されなかったとしても確定申告すること以外にWebライター側でやるべきことは特にありません。
源泉徴収されていなければ、確定申告の際に源泉徴収税額を記載する必要もありません。
源泉徴収義務のあるクライアントがWebライターの報酬から源泉徴収税を差し引きます。
源泉徴収義務のあるクライアントなのに源泉徴収されなかったとしても、Webライター側でやるべきことは「確定申告してきちんと納税すること」だけです。
Webライティングの源泉徴収と確定申告の仕組み
確定申告とは、1年に1回所得税の精算をするために必要な売上や経費を税務署に申告すること。1月1日から12月31日までの売上や経費を確定申告して、納税します。
所得税は1年間の売上や経費、控除などに応じて計算されます。Webライターの報酬から差し引かれていた源泉徴収税額が本来支払う税額よりも多ければ、戻ってくることになるのです。
逆にいえば、報酬から差し引かれていた源泉徴収税額の方が本来支払う税額よりも少なければ、不足分を支払うことになるでしょう。
所得に関わらず、Webライターは確定申告した方が良いですよ。
確定申告書で源泉徴収税額を記入する箇所
確定申告書で源泉徴収税額を記入する箇所は、「第一表44番 源泉徴収税額」と「第二表 ○所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」です。
国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に沿って金額等を入力することで税額などが自動計算されます。青色申告決算書なども作成できるのでおすすめです。
確定申告に必要な源泉徴収税額を知る方法
確定申告で源泉徴収税額を記入するにあたり、次の情報が必要となります。
- 所得の種類(事業所得など)
- 種目(原稿料など)
- 支払者の氏名・名称
- 支払者の所在地等
- 収入金額
- 源泉徴収税額
上記の情報を記入するために、源泉徴収したクライアントから支払調書を受け取るようにしましょう。
クラウドワークス
源泉徴収されている場合は「帳票メニューを表示する」→「支払調書」より発行できます。
一方、ランサーズでは源泉徴収機能を利用した依頼の場合に「支払調書の発行依頼」が可能です。ただし、発行依頼はできるものの、クライアントに支払調書の発行義務はないことに注意が必要です。
クライアントとの直接契約の場合は、クライアントに支払調書の発行を依頼してください。支払調書を発行してもらえない場合は、最低限「支払者の氏名・名称」「支払者の所在地等」を確認しましょう。
Webライターは源泉徴収の仕組みを理解して確定申告しよう!
今回はWebライターの源泉徴収について解説しました。税金の仕組みは複雑でわかりにくいため、初めて確定申告する際は戸惑う場面が色々あるかもしれません。
私も初めての確定申告ではわからないことが多く、税務署に確認しながら進めました。
源泉徴収はクライアント側がするものですが、報酬を受け取るWebライターもしっかりと仕組みを理解しておくと不安も解消されやすいですよ。
Webライターは確定申告をきちんと行い、その年に支払う所得税よりも多く源泉徴収されている場合は還付金を受け取りましょう!
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